今回はVtigerCRMの源流を辿りながら現在日本で利用できるオープンソースのCRMソフトウェアについてご紹介させていただきます。

始まりはSugarCRM

ご存じの方も多いかと思いますが、VtigerCRMの『親』にあたるのがSugarCRMというOSSのCRMソフトウェアでした。

SugarCRMは2004年にアメリカで立ち上げられ、今現在もSugarCRM社によってクラウドサービスとして提供されています。

SugarCRMのOSS版は2013年のV7へのアップグレードのタイミングでOSS版のバージョンアップが行われませんでした。当時、OSS版は今後どうなるんだ?という問題が起こりここ数年ずっともやもやした状態が続いていましたが、昨年(2020年)公式に『SugarCRMはオープンソースではない』という声明が出たようです。これで今後OSS版が出ないことが決定しました。残念です。。。。

VtigerCRMの方は2004年にSugarCRM V1.0をベースに新たに立ち上げられたオープンソースプロジェクトになります。

立ち上げたのはインドのVtiger社になります。それ以降、バージョンアップを重ねて、現在はOSS版のCRMでは最も有名でありかつ利用されているソフトウェアになっています。

Vtiger社が数年前からクラウドサービスを開始し、現在は、Vtiger社で開発されクラウドサービスとして提供されているVtiger Cloud(現在のバージョンはV9)とVtiger社とコミュニティーが主導しバージョンアップを重ねているオープンソース版のVtigerCRM(現在のバージョンはV7.4)の2種類のVtigerが存在しています。

SugarCRMからフォークしたCRMのご紹介

VtigerCRM以外にもSugarCRMを親とするCRMがありますのでご紹介します。

名称設立情報
VtigerCRM2004年。V1.0がベース。
SarvCRM2012年。V5.5.4がベース。イランの企業のようです。OSS版は無さそうです。
https://www.sarvcrm.com/
SuiteCRM2013年。V6.5がベース。OSS版があります。
頻繁にアップデートされており信頼できそうです。
SOURCEFORGEからダウンロードできます。
日本語化に関しては言語パックはないようなので日本語翻訳プロジェクトからファイルをダウンロードしサーバーに展開することで使えるようになるようです。
https://suitecrm.com/
SpiceCRM  2016年。OSS版があります。
SOURCEFORGEからダウンロードできます。
日本語化に関しては未調査。
https://www.spicecrm.com/

SuiteCRM、SpiceCRMは非常に綺麗なUIに進化しています。試してみる価値ありだと思います。

VtigerCRMからフォークしたCRMのご紹介

SugarCRMからすると『孫』にあたる、VtigerCRMから派生したオープンソースCRMも存在します。

名称設立情報
F-RevoCRM 未調査ご存じの方も多いかと思います。
日本のシンキングリード様が立ち上げたOSSのCRMですね。
基本部分はVtigerCRMをベースに非常に丁寧な日本語化対応が行われています。
残念な点が一点だけありましてエクステションのインストールが出来ない仕様になっています、、、、
https://f-revocrm.jp/

今回はSugarCRMを源流とするオープンソースのCRMについてご紹介させていただきました。